丹波:石龕寺もみじ祭り Ⅱ

山南(丹波市山南町)三山で、丹波もみじ三山としてよく知られる石龕寺の「もみじまつり」が11月15日に行われた。聖徳太子を開基の古刹:石龕寺は正平6年(観応2年 1351)1月・京を追われた足利尊氏親子が栗作郷の久下氏を頼って丹波国岩屋の石龕寺へ落ち、播磨に陣を敷く尊氏を見送くった嫡子:義詮は(丹波守護(建武3~康永3)の仁木頼章・久下氏等2000余騎の兵と共に石龕寺に留まった。
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「都をば出て落ち栗の芽もあらば 世にかち栗とならぬものかは」と栗に爪の跡をつけ土に埋めた”爪あと栗(ててうち栗)”の伝承や「太平記」で知られる石龕寺へと井原・日吉神社からの尊氏・義詮の武者行列は、この日のメイン・イベントでした。 参照⇒https://tanbakirinosato.seesaa.net/article/200711article_18.html 此のブログから石龕寺の紅葉…栗作郷の久下氏…「爪あと栗(ててうち栗)」の伝承
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「石龕寺もみじまつり」」は昭和63年:村おこし事業の一環として毎年11月第3日曜日に実施されるようになり、第22回を迎え地元に歴史を伝え:観光イベントとしても定着した伝統行事です。経費削減を兼ね武者行列の鎧兜も手作りで…と行事維持の為に頑張っておられる実行委員会の熱意も、今年の武者行列の寂しさは本末転倒・主客逆転!!? もみじまつりを盛上げる為のイベントも、本会場は「JAまつり」の方?女性・若武者役に小学生達が募集しても集まらず予定の半数にも及ばす、イベント会場のゲームや抽選会の方に集中。
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総勢30人にも達せず、寺までの1時間足らずのパレードに見物者も少なく、地元の人で石龕寺までモミジ観賞に出かけた人も少なかったかも!! 例年見頃を過ぎているが今年も既に遅い…というより余り映えない。素晴らしい紅葉を愛でて欲しいところだが此の時期・山南町だけでなく各所で多彩な催しが目白押し。長年培ってきた武者行列の衰退は遠来の客足が遠のき・人出を見込んでの「JAまつり」も、もっと魅力的な他所のイベントに流れて共倒れの憂き目を見ることのないよう、催しの時間を調整して共に盛り上がる方法等を山南商工会・JA関係者等の実行委員会で、課題の解決・方法を検討して貰いたいものです。
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遠目の山々が纏う金錦は今・一番映えている時ですが、境内のもみじは色褪せ、美しい紅葉が見られないだけに、金色に光る銀杏だけが鮮やかに眼に映える。故郷の歴史や自然に・伝統行事に参加する事へ背を向け、他愛ない人ごみの中でゲームや雑談に熱中する体質からは、近い将来の色々な不安を予感して心鎮まらない。


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