丹波八宿 青垣の秋2013

延喜式山陰道の駅家(うまや)が在った佐治宿は、京を発った山陰道・但馬街道の八番目の宿場町として・また丹波側最北端の宿場が旧街道の面影を残す佐冶宿。此処から西方の青垣町大名草から更に西へ生野峠を但馬側の黒川へ、西南へは播州峠を越え多可郡・西脇方面へ、北へは遠阪峠を但馬朝来市へ、榎峠を越えて福知山市へと、いずれも山越えで抜ける山間の地だが、宿場町端の三叉路に立つ石道標がこれ等を繋ぐ要衝の地でもある事を示します。
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東北へ向かう山陰道は但馬国境の粟鹿峰(丹波側の最高峰)山系から流れ出る神楽川(加古川源流の旧佐治川)に架かる神楽橋を渡った北詰を川沿い50m程東に神楽川板橋碑がある。佐治に生まれ柏原藩織田氏に招かれ藩財政を立て直し藩校設立等教育活動にも活躍した丹波聖人:小島省斎(儒学者)が佐治に戻り中島家(ツバメヤ)の別邸竹西亭を借りて私塾を開いていた。村長(むらおさ)等が小島省斎に師事し立替えた橋が神楽橋。
    神楽橋から神楽川板橋碑(中央と菊の下橋遠望)
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堤防沿い車道を東へ直ぐに菊の下橋洪水で橋が流されて亡くなった友人の供養にと奉公の蓄財を投じで橋を架けた”お菊さん”の話はボランティア・ガイド芦田さん(妻とは福祉関連ボランティアで知合い)が一人市役所支所内で一人書いておられた手作りの紙芝居で絵解き。「お菊さん」がした橋が語源とか!。青垣住民センター側に養蚕農家朝倉家住宅(移設)を見学し、東角橋で氷上西高側に渡り返す。
   竹西亭(小島省斎の私塾跡)
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此の後の飛脚リレートではジャンケン?の勝負で、遠回り・近道コース運命の分かれ道ともなる場所を近道で、八宿まつり会場の駐在所前に出てくる。関西大学佐治スタジオを一寸覗いてその先・淡嶋神社等二つの小祠が祀られる狭い路地を抜け激急斜面の山裾を縫う旧山陰道を通り八柱神社参道前・中町公民館に出る。
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八柱神社も櫛稲田姫(木花開耶姫命)を祀り”八岐大蛇”伝説があるようで此処でもボランティア・ガイド芦田さんの紙芝居語りの絵解き。公民館の奥(西隣)が丹波聖人:小島省斎の私塾竹西亭の跡だが近年迄使用されていた私邸の為、旧態が遺らず改修保存の話も無く荒れたまま倒壊?残念な状況です。
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青垣町ボランティアガイドと巡る「宿場町 佐治」は此処で解散だが、宿場町界隈には他にも「小倉の十三人塚の伝説・足立遠政(全国足立姓の祖)下屋敷の妙法寺・小島省斎の墓」も此処にあり、遠政上屋敷と光明寺廃寺跡の青垣中学校、見上げれば岩屋山からテイクオフしたパラグライダーも見られ、スカイスポーツでは国内有数の基地である岩屋山と青垣町のPRも
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午後からのイベントは初回から恒例の「宿場町飛脚リレー」と青年部が熱演する「リアル紙芝居」の今年は粟鹿峰山麓の大稗(おびえ)に伝わるお杉地蔵の伝説を上演。文化の日(11/3)は丹波八宿 青垣の秋…と高源寺山開き・熊野神社の裸まつりが同時開催。「丹波布」の展示も古民家会場を使用して行なわれるが、「道の駅あおがき」にも丹波布伝承館があり佐治木綿(丈夫なので実用作業着等に使用された)で
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繁栄した地の説明とPRも青垣を語るに十分な題材…。妻入り商家群が佐治の宿場町風情を遺す商店街沿道には、青垣町内の出店が軒先を借りて並び和菓子屋・イワナの塩焼き・蕎麦処・生鮮野菜や果物…等秋の味覚を味わう。”丹波八宿 青垣の秋”は鬱陶しい雨模様の中で行われ残念な一日でした。
 普段は伏流の加古川(旧佐治川):左に岩屋山・正面は粟鹿山山系
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  丹波八宿まつり 2011  丹波八宿 青垣の秋2010
  熊野神社・裸まつり   丹波もみじ三山 高源寺 

この記事へのコメント

イッシー
2013年11月04日 15:13
天々さん本当におひさしぶりです!猪名川町のイッシーです!前々日に三田市志手原にある清水山に登りました!三田市史に清水山城跡と記載されており探索しました!山頂には郭跡に土塁らしき跡また空堀地形などがありました!また機会がありましたらご一緒に探索したいと思っています!
2013年11月07日 11:07
イッシーさん。山城巡りご活躍の様でなりよりです。志手原は小柿・後川・丹波篠山へ抜ける県道49号と猪名川へ抜ける県道37号の分岐にありますね。清水山の東には羽束山があり南北朝期の香下合戦には南朝方の砦だったかも?。遺構が清水山山頂だとすると49号側監視は当たらないし、要衝の37号監視なら、むしろ清水山から延び出す南尾根先が街道近くまで達する(法導院の東方)丘陵先端部が城塞っぽいですね。三田市史(旧?)では城名未確認ですが、位置不明として、茶臼山城・松山城の松山氏の築城都推察される志手原城がありますね。志手原側1地方領主の領地支配の築城なら清水山よりその西の峰の丘陵上や有馬富士に在った方が徳心できるのですが?。

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