鐘ヶ坂 丹波市

R176号線を丹波市側から篠山市に越える市境界尾根上には金山城がある。室町時代末期というか?・安土桃山時代となる織豊期(天正年間)、天下布武の号令のもと丹波攻略【多紀郡(篠山市)波多野氏の八上城・氷上郡(丹波市)荻野(赤井)氏の黒井城】の明智光秀により築かれた陣城は、両丹波勢力を分断し、その動向・監視する重要拠点。
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詳細は金山城レポートに譲るが石積・石垣を遺し、単に陣城を遥かに凌ぐ大規模縄張りからは、丹波守護となり亀山城を本拠とした以後も改修が続けられ?明智氏10年後の野望にも繋がるものか?。平安時代の山陰道は篠山川を加古川出合から佐治川(現:加古川)沿いの氷上回廊を北上していたが、南北朝期には鐘ヶ坂への通行が可能となり大山下からを小倉へ抜けるルートに変わっている。
   
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此の頃の地頭・領主に鐘ヶ坂を挟んで:足利尊氏近習の中澤氏が大山城に、[一番旗]忠臣の久下氏が栗作郷・小倉庄を領しているが、南北朝~天正「丹波攻め」に落城するまで同族以上!!の関係にあって、境界線上なので城塞等史誌一切不明ながら、軍事的にも金山城築以前から久下氏・中澤氏関連の城塞が在ったと推察しています。中澤氏は足利氏側近として京都におり大山城は留守将が護っていたものか?。
 鐘ヶ坂・不動滝(水流なく・桜花も梢に僅か…) 
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交通の要衝となった鐘ヶ坂は「丹波吉野」とも称される桜の名所であり、峠へ向かう柏原町側の展望所(現:休憩駐車場)からは金山城域の尾根に奇岩「鬼の架け橋」を望む。江戸時代後期の浮世絵師歌川(安藤)広重の作品 「六十余州名所図会」の一「丹波鐘坂」には鬼の架け橋が描かれ”丹波路”等観光ガイドの表紙に挿されている。
 正面の峰を左へパン(パンニング)すれば鬼の架橋が見える筈だが!?
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全国的にも珍しい古(明治)・旧(昭和)・新(平成)と三代に跨り三つのトンネルが残る。中でも明治13年(1880)のトンネルは日本でも最古級のレンガ造り。トンネル開通に奔走した発起人がJR福知山線の全身:阪鶴鉄道(大坂-舞鶴間)創設者でもある丹波開発の先駆者田艇吉氏(柏原町下小倉)。
  谷間を埋める(丹波吉野)の景観!!
手前は明治のトンネルへ、上方は昭和トンネル手前への旧道
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R176号の鐘ヶ坂(平成)トンネルの手前に、鬼の架橋展望所の休憩駐車場の側から、鐘ヶ坂(昭和)トンネルへの旧道を進む。以前はトンネル側まで行けたので其処から更に鐘ヶ坂(明治)トンネルへの散策道に入っていけたが、今は不動滝・鐘ヶ坂公園(駐車場あり)分岐点に「車輌進入禁止車止」めがある。
 手前は明治のトンネルへ・下方はR176号現・平成トンネルを抜け出た付近
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ヤマザクラ花の見頃は少し過ぎていたが、石楠花類は蕾が膨らみかけている。明治のトンネル側へ歩を進めれば。金山城への登城口付近にツツジも見られるかも…?。今年は長期間楽しめると思えた花見も今朝(4月7日)の雨・風…による荒れ模様に、花の見納めかと…

丹波吉野…  http://tanbakiri.web.fc2.com/TANBA-kanegaska-siro-docu.htm
隠れ紅葉の名所12 鐘ヶ坂 https://tanbakirinosato.seesaa.net/article/201011article_28.html


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