カール自走臼砲「Mörser Karl」 (Papercraft)

「箱之工房」さんのPapercraftから:部品数の多い作品に以前失敗しながらも”100均”の透明ケースに収まるので厭きずに再挑戦した。カール自走臼砲は第二次世界大戦時にドイツで開発・製造され、60cmー54cmという超大口径の臼砲を搭載する自走砲。要塞・城塞の攻略を目的に開発され、セヴァストポリの戦いや
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ワルシャワ蜂起などに投入された。Karlの名は本砲の開発に携わったカール・ベッカー将軍に因む。自走は可能だが…自重は120トンを超えるため時速10km程度しか移動出来ず運搬には専用貨車が製作され・試作車も含め計7輛が製造された。兵器名称は「カール」だが製造車両にはそれぞれ固有の名がつけられている。
    操縦席(前進方向?)は向こうの砲尾側
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フランスのマジノ要塞線を始めとする要塞・城塞攻略を目的に1937年開発開始されたが、1940年のフランス侵攻には生産車が間に合わず・マジノ線への総攻撃が行われなかったため本来の目的では使用されなかった。1940年ー41年までに6輛が製造され、砲弾輸送用にはIV号戦車から改造された専用の車輌が用意され、
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独ソ戦のセヴァストポリの戦いにおいてその威力を発揮。本:カール自走臼砲モデルは1/72スケール。配備期間は1941-45年で944年のワルシャワ蜂起の際にも実戦投入されたが、運用に多大な人員と物資が必要な上・本車を投入する局面は非常に限られた。短射程と低い発射速度・迅速な移動が行なえないといった問題から、
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前線に送られたものの戦闘に投入されぬままに撤収した例も多かった…様だが巨大な砲弾の威力は絶大なものの…1941年2月には射程を延ばすための検討が始まり1942年5月生産型6輛に搭載する54cm砲身(Gerät 041)が発注・納入は1943年6月。
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本車の支援車として専用弾薬輸送・装填車両'Munitionsträger' も併せて開発され22輛が生産されて装備された。“自走臼砲”はダイムラー・ベンツ製「MB 503 A 液冷12気筒ガソリンエンジン(580馬力)」または「MB 507 C 液冷12気筒ディーゼルエンジン(590馬力)を動力とし、5段変速機械式・または4段変速油圧式の変速機を介して
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124トンの巨体ながら自力で走行することができた。操縦席「前進方向」は砲尾側:操縦席は露天式で鉄道輸送時などで使用しない場合は取外し式蓋で塞がれていた。巨大な60cm/54cm砲は最大70度の仰角を取ることができたが、直接照準による水平射撃は想定されておらず、実際の射撃は仰角55度以上で行われた。
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弾薬装填は俯仰角0度状態でしか行えず:射撃する際には1発射撃する毎に砲を水平状態にする必要があり、射撃毎に再照準する必要があった。雑な仕上がりで「箱之工房」さんには申し訳ありません 作品の数ヶ所に針金を使用しています。
 カール自走臼砲についてはWikipedia…等を参照 
セヴァストポリの戦闘を知らず:軍事博物館位置付近を示す
  

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