香良合戦2 :通説 丹波市
●香良合戦1:序からの続きです 円通寺城から北方の沼城に繫がる尾根筋に井中城・更に白童城(類似遺構)から沼城の低位置だが主郭と思える曲輪群に着く。香良合戦前にも氷上町成松近く”常楽･新庄の戦い”があった…が詳細内容はおろか‼?：郷土地誌-古文書に確かな記述があれば…と思うが其の時期や経緯･原因も殆ど不明!なのだが…。承久の乱に功あり新補地領の葛野荘に来住した荻野氏･
白童城:主曲輪に繋がる土塁線?…直ぐ上部の尾根に遺構なく類似遺構とするが!?
葛野荘の新庄には本庄氏の南郷城(森山城･新庄城)があり保元の頃(1156-59)城を構え、南北朝期：建武の頃(1334-36)荻野氏とは領有権争いの小競合いはあったが和睦し、後醍醐天皇の船上山挙兵に際し本庄氏･荻野氏が児島高徳ら3000の軍勢で高山寺城(弘浪山520m)に拠っている。三好長慶･松永久秀･松永長頼(八木城の内藤宗勝)軍が足立･芦田氏等に加担し‼?荻野氏･本庄氏らの戦いに介入?したのは
下新庄城帯曲輪から主郭切岸と大歳神社(現:西新庄城麓に移り跡地のみ)
香良合戦ではなく?、寧ろ常楽･新庄の戦いではなかったか!?…と推測するが、足立･芦田氏勢力の北方からの侵攻を警戒するような段曲輪を見せる｢常楽砦｣に僅かに片鱗を感じる。｢丹波志｣｢丹波史年表｣等に…通説となっている”香良合戦”は弘治元年(1555)勃発した。三好長慶･松永久秀･内藤宗勝らは口丹波の八上城攻めに失敗したが今度は幾度か攻めた奥丹波の黒井城への侵攻を図る。
常楽砦主郭から北方にのみ曲輪群と一本の堀切を敷設する
細川氏綱派:沼城の芦田上野介(目留)光遠・山垣城の足立(権太兵衛)基則(足立遠政の下屋敷は基則の居館として後:妙法寺を開基･足立氏先祖3代墓碑を祀る)が、細川晴元派の赤井･荻野氏一族を討って欲しいとの要請を”渡りに舟”とばかりに…三好長慶の臣:松永久秀･松永長頼(久秀の弟:内藤宗勝)が赤井/荻野一族を討つため香良谷に集結し伊佐口・香良・絹山一帯を戦場として展開された香良合戦は、
沼城は長い岩稜尾根上に点在し統一性を欠く郭群は陣城か?
三好軍の細川氏綱VS細川晴元方の赤井時家等赤井･荻野氏一族よる…細川家内紛の代理戦争とされている。氷上郡内(丹波市)大方の国人領主を掌握している赤井一族に対して足立･芦田氏連合軍だけでは到底敵わない…が三好軍の兵力だけでも赤井･荻野勢が総力を挙げての正攻法では勝目なく、唯一手段の奇襲戦法により香良谷への敢行により戦いが始まったものか…
鴨内城(隠ヶ谷砦):櫓台?(大土塁)背後の堀切
氷上郡(丹波市)では天正の光秀による黒井城攻略に次ぐ丹波合戦史最大激裂戦となった。何故か?肝心の合戦に松永･内藤氏ら三好の大軍が氷上の地に侵攻し、まして赤井勢に追い返される？程の戦いであったか？。三好･松永･内藤の援軍が間に合わなかったとか、そもそも八木城主:松永長頼(内藤宗勝)が丹波守護代となる時期に一方的な援軍派兵が出来たか?、
霧山城:主郭二段帯曲輪(幻の氷上城として城郭を否定されていた時期も‼?)
また赤井･荻野方を救援した?波多野氏宗高は虚像とも思える霧山城主として実在したかも不明だ。赤井･荻野家を二分する細川家内紛と、黒井城主:荻野秋清が刺殺された天文23年(1554)の翌年!!…を考慮すれば、其の起因が単に細川家の代理戦争とも言い切れないが、事の複雑さは細川氏綱が
秋清の下屋敷･留堀城近くにある荻野秋清の塚
白童城:主曲輪に繋がる土塁線?…直ぐ上部の尾根に遺構なく類似遺構とするが!?
下新庄城帯曲輪から主郭切岸と大歳神社(現:西新庄城麓に移り跡地のみ)
常楽砦主郭から北方にのみ曲輪群と一本の堀切を敷設する
沼城は長い岩稜尾根上に点在し統一性を欠く郭群は陣城か?
鴨内城(隠ヶ谷砦):櫓台?(大土塁)背後の堀切
霧山城:主郭二段帯曲輪(幻の氷上城として城郭を否定されていた時期も‼?)
秋清の下屋敷･留堀城近くにある荻野秋清の塚
丹波守護代となる八木城主:松永長頼(内藤宗勝)に対し忠節を尽くすようにとの通達に刺殺された荻野秋清が同意していたようで、前:黒井城主秋清方に付く古参?の荻野･赤井側…新城主の荻野直正に付く荻野･赤井側が二派に分れての内紛の様相!!…。ただ双方に多大な犠牲を払いながら何も得ることはなかった。
直正は由良坂-北由良-勝坂を越え香良谷に入ったか?・直正付城は此のルートに集中
荻野直正方が勝利した形だが｢丹波戦国史｣に残る激戦に、壊滅状態となった足立･芦田氏は直正に服した…が直正自身も満身創痍、荻野直正の兄:赤井家清は深傷がもとで弘治3年死亡･芦田光遠も討死。足立一族は荻野直正に属して明智の黒井城攻略に抗戦する城主足立上野介光信は天正2年戦死。
北油良から香良谷側の絹山に越える[勝坂]の案内説明板
基則は香良合戦が起因か‼?足立一族から造反?:光秀の黒井城攻略に際しては斉藤利三配下にいて本能寺にも参軍している。疑問符が目立つ香良合戦が突発的に起き勝敗が決する時間も長くはなかった?：衝突した位置も限定的な香良口で香良谷川周辺に双方の付城群が既に存在し偶然性は低い。
香良合戦:序 https://tanbakirinosato.seesaa.net/article/202210article_12.html
香良合戦3 :陣城砦群 https://tanbakirinosato.seesaa.net/article/496559366.html
香良合戦4:合戦と余波 https://tanbakirinosato.seesaa.net/article/496858574.html
直正は由良坂-北由良-勝坂を越え香良谷に入ったか?・直正付城は此のルートに集中
北油良から香良谷側の絹山に越える[勝坂]の案内説明板
香良合戦:序 https://tanbakirinosato.seesaa.net/article/202210article_12.html
香良合戦3 :陣城砦群 https://tanbakirinosato.seesaa.net/article/496559366.html
香良合戦4:合戦と余波 https://tanbakirinosato.seesaa.net/article/496858574.html
この記事へのコメント